世の中はクソである。

世の中はクソである。

居場所がほしい

フィリピンの麻薬事情。セブ島で出会ったキャサリン、どうか無事でいてくれ...。

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セブ島で出会った女の子キャサリン

4年前フィリピンのセブ島を旅した時、ぼくは一人の女の子と仲良くなった。

彼女の名前はキャサリン。

夜中クラブへ行った際、ぼくはつい飲みすぎてしまい1人外で潰れていた。その時に「大丈夫?」と声をかけてくれ介抱してくれたのがキャサリンだった。

キャサリンは地元のいわゆるマイルドヤンキーだった。肩には龍だったか不死鳥だったかの入れ墨がはいっており、格好も一見娼婦のような少し派手な格好をしていたので、はじめは少し警戒していた。

しかし特に騙されるわけでもなく、何かを盗まれるわけでもなく、彼女はただただ楽観的でいわゆるフィリピーナという感じだった。

彼女はマイルドヤンキーだけあって「地元だから任せて」と言わんばかりに、美味しい店や楽しい遊び場を教えてくれ、いつもぼくに代わって値切ってくれたりと、やたら頼もしかった。そしてぼくらは次第に仲良くなっていく。

シャブ①

そんなある日、ぼくの部屋で一緒にグダグダしていると、いきなり銀紙を丸めだし何かを炙り始める。「何それ?」と聞くと彼女はニヤリとほほ笑み「シャブ」と答えた。シャブ!!!!!!!???シャブってあれだよな!!?日本語でいうところの「覚せい剤」だよな!!!??おいおいおい!!いやーー、しかし大丈夫なの??てか少なくともおれの部屋でナチュラルに吸引されても困るわああ。。

と、一瞬色々なことが頭の中を交錯したが、一人でテンパっててもしょうがないので。一旦落ち着いてしばらく彼女を観察していた。

覚せい剤というと名前の印象からもっと「覚醒」するのかと思っていたが、彼女は意外と落ち着いていた。というか吸引前と吸引後の変化がぼくにはわからなかった。

彼女が言うには「フィリピンでは覚せい剤の罪がそんなに重くない。見つかっても賄賂で何とかなる。そしてそもそも政府がそれを売っている。」とのことだった。

日本にいると平和ボケしてしまうのかもしれない。世界には政府が覚せい剤を売る国が存在するのだ。もちろん裏での取引であり、それは政府が相当腐敗していることを意味する。それで儲かっている政府関係者がいるのだ。

シャブ②

少し衝撃を受けたものの、その後もぼくは彼女と毎日遊んでいた。ちなみにキャサリンはニートだった。というか、ぼくにはその素振りを見せなかったが今思うと彼女は娼婦だったのかもしれない。全く働いていなかった。

ある日ぼくは何となく彼女に「家行っていい?」と尋ねた。現地っ子の家ってどんな感じなんだろうと純粋に興味があったからだ。彼女も二つ返事で「いいよ」と言ってくれた。

家の近くまでジプシーという相乗りタクシーに乗り、そこから入り組んだ路地を30mほど歩いていく。そこには庶民の暮らしがあった。

平日の昼間から酒を飲みギャンブルをしているおっさん達、赤ちゃんをおぶり洗濯をするおばちゃん、ゴミ溜めの川で遊ぶ子供たち。

これが現地の庶民にとって普通の暮らしなのかどうかはわからない。ただ少なくともぼくにはスラム街のように思えた。

彼女の家につくと、気さくなおじさんが現れぼくは挨拶をした。彼女は家庭環境が複雑で、どうやら親戚の家に住んでいるらしい。

その家には親戚のおじさん、おばさん、子供たち、なぜかキャサリンの友達とその彼氏が住んでいた。とりあえず関係性が色々とカオスだったのであまり深くは聞かなかった。

2階にあがるとそこには彼女の友達のシエルとその彼氏が昼間から床に敷かれた布団に何をするわけでもなく横たわっていた。完全に様子がおかしく無気力状態だった。

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キャサリンに聞くと「2人ともシャブやってる」と答えた。また、シャブ!!??笑 しかもシエルは娼婦でシエルの彼氏は紐だそうだ。そこまでいくと逆にたくましいなと思いつつ、しかしこれはおそらく政治が悪いんだろうなとも思った。

その後、ぼくとキャサリンは1階のリビングで子供たちと遊んでいた。そしてしばらくするとおじさんとおばさんが来て、キャサリンと何かを話し始める。タガログ語だったのでぼくは全く理解できなかった。

すると次の瞬間、おじさんが銀紙を取り出し丸めはじめたのだ。おおおおお、またシャブ!!??おじさんと、しかもおばさんまで!!!!!さすがに斜め上をいっていた。若者だけならまだしも、普通にどこにでもいるようなおじさんとおばさんまで..。

そして「キミも吸うか?」と言われ断ったが、あまりのナチュラルぶりに一瞬「あれ、もしかしておかしいのおれの方?笑」と錯覚してしまい「あざーす!」と言ってしまいそうだった。

キャサリンが心配

そんなカオスな体験の連続ではあったが、ぼくにとってセブ島でのキャサリンと過ごした日々は今も忘れられない。 日本に帰国する際、「体に悪いだろうからシャブはもうやめーよ」と釘を刺しといた。

そして日本に帰ってから数年が経ちドゥテルテ政権が誕生する。フィリピンの腐敗した政治、そして萬栄するドラッグの事情をぼくは知っていた。

麻薬を取り締まるために容赦なく薬物使用者を殺すドゥテルテ。ぼくの中ではリアルだった。「キャサリンが殺される...!!」キャサリンに連絡をとってみるものの未だに既読すらつかない。心配だ。どうか生きていてくれ..頼む..。